Japanische Klassiker mit Furigana
ja-reading.com
Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.
かけこみうったえ
走れメロス
Lesen Sie 走れメロス (かけこみうったえ) von Dazai Osamu (太宰 治) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 55.745 Zeichen · 112 Bildschirme
た。夜、部屋を閉め切り、こっそり、その地図を開いた。赤、緑、黄の美しい絵模様。私は、呼吸を止めてそれに見入った。隅田川。浅草。牛込。赤坂。ああなんでも在る。行こうと思えば、いつでも、すぐに行けるのだ。私は、奇蹟を見るような気さえした。
今では、此の蚕に食われた桑の葉のような東京市の全形を眺めても、そこに住む人、各々の生活の姿ばかりが思われる。こんな趣きの無い原っぱに、日本全国から、ぞろぞろ人が押し寄せ、汗だくで押し合いへし合い、一寸の土地を争って一喜一憂し、互に嫉視、反目して、雌は雄を呼び、雄は、ただ半狂乱で歩きまわる。頗る唐突に、何の前後の関聯も無く「埋木」という小説の中の哀しい一行が、胸に浮かんだ。「恋とは」「美しき事を夢みて、穢き業をするものぞ」東京とは直接に何の縁も無い言葉である。
戸塚。──私は、はじめ、ここにいたのだ。私のすぐ上の兄が、この地に、ひとりで一軒の家を借りて、彫刻を勉強していたのである。私は昭和五年に弘前の高等学校を卒業し、東京帝大の仏蘭西文科に入学した。仏蘭西語を一字も解し得なかったけれども、それでも仏蘭西文学の講義を聞きたかった。