Japanische Klassiker mit Furigana
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ちょうかきんむ
超過勤務
山本 周五郎
Lesen Sie 超過勤務 (ちょうかきんむ) von 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 15.619 Zeichen · 31 Bildschirme
彼は叱責の眼で少女を見た。それは神聖を冒涜されたというふうな、威厳を示すつもりらしいが、反対に、秘していた自分の弱点をあばかれたための、屈辱感のあらわれのようであった。
「おじさんこそ誤解してるわ、あたしは可哀そうでなんかありゃしなくってよ」と少女は云った、「これまでは可哀そうだったわ、うちがひどい貧乏で、きょうだいが六人もいて、うすぎたない狭いうちにごちゃごちゃと、みんなぼろを着ておなかをすかして、まるでのら犬の親子みたいなくらしをしていたわ、ああいやだ、考えてもぞっとする、ああいやだ」少女は外国映画で覚えたのだろう、両手を左右へひらっと振り、肩をすくめながら顔をしかめた、「いまはちがうわ、あたしはのら犬の巣から出られたのよ、ようやく人間らしいくらしができるようになったし、これからの一生もたのしさがいっぱい、おなかをへらしたのら犬がなんでも食べるように、たのしいことならなんでも、片っ端からあちし食べてやるわ、どんなことだってもよ」
「できればね」彼はもの憂げに云う、「――それができるなら、この世で苦労することはないんだがね」