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Japanische Klassiker mit Furigana

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おどるちへいせん

踊る地平線(上)

谷 譲次

Lesen Sie 踊る地平線(上) (おどるちへいせん) von 谷 譲次 (たにじょうじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 168.926 Zeichen · 332 Bildschirme

Aozora Bunko

一人もなかった。

魔法使いのような、きたない服装の無愛想なお婆さんが出てきて電灯をひねったので、はじめてみんな、がやがやと卓子に就くことが出来たくらいである。

で、一同、思い思いに狭い酒場の椅子に腰かけて、妙にぽかんとしている。なあんだ馬鹿らしい! こんなところか、何も変ったことはないじゃないか――と言いたげな、狐につままれたような、だからちょっと不服らしい顔つきだ。例のお婆さんが、むっつりしたまま売台の向うに立った。これが酒番だとみえる。

親分が、隊員とお婆さんへ半々に言った。

『とにかく、まだ早いですから、ここで何か飲って行きましょう。御銘々にお好きなものを御註文下さい――おい、婆さん、おれに黒麦酒!』

団員中の人見知りをしない饒舌家が、すぐ親分に倣った。

『それでは、と。わたしは赤を頂きましょうかな。』

仕方がないから皆それぞれに註文を発する。お婆さんは黙ったまま、片っぱしからそれを注ぎはじめた。

奥から五、六人の女給が出て来て、お婆さんの突き出すのをテエブルへ運ぶ。厚化粧をした若い女たちだったが、妙なことには、それが一人ひとり違った型と服装で、ちょいとした若奥様みたいなのや、良家の令嬢と言ったのや、お侠な女学生風なのや、白エプロンの女給々々したのや、踊子のようなのや――この近所の人達の内職にしても些