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Japanische Klassiker mit Furigana

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おどるちへいせん

踊る地平線(上)

谷 譲次

Lesen Sie 踊る地平線(上) (おどるちへいせん) von 谷 譲次 (たにじょうじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 168.926 Zeichen · 332 Bildschirme

Aozora Bunko

とどうも様子が変だと思っていると、その女たちが、卓子と卓子のあいだの細い通路をすり抜けるようにして酒を配って歩く。普通の酒場やカフェの光景で、べつだん何の珍奇もない。

アンリ親分は知らん顔して麦酒を飲んでいる。

待ちきれなくなったように、一行の代弁をもって自任している饒舌家が口を切った。

『何かあるんですか、ここに。』

コップの底のビイルをすっかり流しこんで、ハンケチで丁寧に口のまわりを拭いてしまうまで、親分は答えなかった。

『詰らないじゃありませんか、こんなところ。』

饒舌家が全員を代表してぶつぶつ言っている。

遮るように親分が大声を出した。

『ちょっとそのあなたのテエブルの隅へ、巻煙草でも何でもいいから置いてごらんなさい。』

『え?』と、饒舌家は不思議そうな顔をして、『何でもいい? ここへですか――。』

言いながらポケットから十法の紙幣を掴み出して、卓子の隅っこへ載せた。

『こうですか――。』

すると、その言葉の終らないうちに、一同は唖然とした。というのは、ちょうどそのとき饒舌家の傍に立っていた女学生ふうの女が、いきなり高々と――上げたのである。下には――彼女だった。