Japanische Klassiker mit Furigana
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おどるびじんぞう
踊る美人像
野村 胡堂
Lesen Sie 踊る美人像 (おどるびじんぞう) von 野村 胡堂 (のむらこどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 15.460 Zeichen · 31 Bildschirme
糸子の代りになった智恵子は、卓子の前に掛けて、美人像に背を見せたまま、身動きも出来ないほどの恐怖にさいなまれて居ります。眼はすっかり見開いてしまって、藍のような顔に、恐ろしい神経性の痙攣が走ります。
あとの七人は、部屋の一隅に固まって、カーテンの間から僅かに見える美人像の手先――其処に気味悪く光る短銃――と、智恵子の打ち顫う姿を見詰めて居ります。
一分、二分、三分と過ぎました。最初は嘲笑して居た石郷氏の顔も、すっかり硬ばって、一座は本当に大きい息を吐くものもありません。到頭、奇蹟が現れました。いきなり、
ドーンと轟く短銃、美人像の手から一条の焔が走ると見るや、
「ウーム」
的になった智恵子は、そのまま気絶して卓子に俯向きになります。
扉の鍵を開けると、一陣の風と一緒に飛込んだ花房一郎、
「美人像は矢張り短銃を撃ったでしょう。併し、今度のは空砲だから、怪我は無い筈だ」
ズカズカと気を失った篠井智恵子の前へ。抱き起して介抱するかと思うと、そうではなくて、気を喪ったままの女へ、ガチリと手錠をはめてしまいました。
「お騒がせしてすみません。犯人は此女です。皆様はどうぞ御随意にお引取り下さるように」