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Japanische Klassiker mit Furigana

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おどるびじんぞう

踊る美人像

野村 胡堂

Lesen Sie 踊る美人像 (おどるびじんぞう) von 野村 胡堂 (のむらこどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 15.460 Zeichen · 31 Bildschirme

Aozora Bunko

を返してくれ。お前という者に愛想が尽きると、俺は急にあの彫刻が恋しくなったんだ」

「厭だよ。それに、あんな大きい物を持って歩いてるわけじゃなし」

「今でなくて宜いよ、後日の為に抵当だけ受取って置こう」

「抵当なんか持っちゃ居ないよ」

「第一にその指環を渡すさ」

「これはお前――」

「知ってるよ、近頃夢中になって居る、石郷氏が買ってくれたんだろう」

「…………」

柳糸子は黙って指環を抜きました。こんなもので済めば幸いと言った色が、その美しい顔の表情をひどく昂ぶらせます。

「それから帯」

「えッ」

「それだって安くは無かったよ。俺が買ってやったんじゃ無いか、俺が剥くのに不思議はあるまい――」

争うことの不利益を覚ったのか、糸子はクルクルと帯を解きます。

「それから着物だ」

「貴方は、まさか私を裸にする積りじゃ無いだろうね」

細帯一つになった女優は、丹波高一の冷酷な事務的な言葉を聞いてさすがに顫え上りました。

「お前は一度俺を裸にしたじゃないか。俺は何も彼も失なってしまったが、お前は家へ帰ればまだ沢山の物を持って居る。此処から虎の門のアパートまで、花形女優の柳糸子が、裸で道中するのも洒落て居るだろう」