Japanische Klassiker mit Furigana
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ついおく
追憶
Lesen Sie 追憶 (ついおく) von Akutagawa Ryūnosuke (芥川 竜之介) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 11.304 Zeichen · 23 Bildschirme
先生はこうたしなめたのち、僕の答案へ×印をつけた。
三二 加藤清正
加藤清正は相生町二丁目の横町に住んでいた。と言ってももちろん鎧武者ではない。ごく小さい桶屋だった。しかし主人は標札によれば、加藤清正に違いなかった。のみならずまだ新しい紺暖簾の紋も蛇の目だった。僕らは時々この店へ主人の清正を覗きに行った。清正は短い顋髯を生やし、金槌や鉋を使っていた。けれども何か僕らには偉そうに思われてしかたがなかった。
三三 七不思議
そのころはどの家もランプだった。したがってどの町も薄暗かった。こういう町は明治とは言い条、まだ「本所の七不思議」とは全然縁のないわけではなかった。現に僕は夜学の帰りに元町通りを歩きながら、お竹倉の藪の向こうの莫迦囃しを聞いたのを覚えている。それは石原か横網かにお祭りのあった囃しだったかもしれない。しかし僕は二百年来の狸の莫迦囃しではないかと思い、一刻も早く家へ帰るようにせっせと足を早めたものだった。
三四 動員令
僕は例の夜学の帰りに本所警察署の前を通った。警察署の前にはいつもと変わり、高張り提灯が一対ともしてあった。