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Japanische Klassiker mit Furigana

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ついおく

追憶

芥川 竜之介

Lesen Sie 追憶 (ついおく) von Akutagawa Ryūnosuke (芥川 竜之介) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 11.304 Zeichen · 23 Bildschirme

Aozora Bunko

僕は妙に思いながら、父や母にそのことを話した。が、誰も驚かなかった。それは僕の留守の間に「動員令発せらる」という号外が家にも来ていたからだった。僕はもちろん日露戦役に関するいろいろの小事件を記憶している。が、この一対の高張り提灯ほど鮮かに覚えているものはない。いや、僕は今日でも高張り提灯を見るたびに婚礼や何かを想像するよりもまず戦争を思い出すのである。

三五 久井田卯之助

久井田という文字は違っているかもしれない。僕はただ彼のことをヒサイダさんと称していた。彼は僕の実家にいる牛乳配達の一人だった。同時にまた今日ほどたくさんいない社会主義者の一人だった。僕はこのヒサイダさんに社会主義の信条を教えてもらった。それは僕の血肉には幸か不幸か滲み入らなかった。が、日露戦争中の非戦論者に悪意を持たなかったのは確かにヒサイダさんの影響だった。

ヒサイダさんは五、六年前に突然僕を訪問した。僕が彼と大人同士の社会主義論をしたのはこの時だけである。(彼はそれから何か月もたたずに天城山の雪中に凍死してしまった)しかし僕は社会主義論よりも彼の獄中生活などに興味を持たずにはいられなかった。