Japanische Klassiker mit Furigana
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うんめいのままに
運命のままに
豊島 与志雄
Lesen Sie 運命のままに (うんめいのままに) von 豊島 与志雄 (とよしまよしお) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 28.406 Zeichen · 57 Bildschirme
だけどそれまであなたの方からは下さらないでね。私何時叔母の家を出るか分らないから。それに叔母が大変やかましいんですから。」
私達はそんなことを話しながら、何にも取り留めたことを云わなかった。然し私は外的のことを何も深くきかなくていいほど、お島の心を親しく感じていたのである。
私達はどの位の間街路を歩いたか知らない。そしてお島がもう帰ると云い出した時、私は何ともいえぬ哀愁に打たれた。
「叔母が帰ってるかも知れないから。」と彼女は云った。
私は、もしお島が帰ると云い出さなければ、何時までも二人で気兼ねのない散歩を続けたかも知れない。然し私は彼女を引留める術を知らなかったのである。そして私はお小遣いを少しあげようかと云ったけれどお島はどうしてもそれを受取らなかった。
「私もうあなたにお目にかかれたら、それでいいのよ。」と彼女は云った。
私達はお茶の水で別れた。彼女は其処から甲武線の電車で千駄ヶ谷まで帰るのであった。「身体を大事におし。」と私は云った。足を返して暫くしてふり向くと、お島は停車場の入口に切符を手にしたまま私を見送っていた。
私はそのまま真直に足を早めて下宿に帰っていった。