Japanische Klassiker mit Furigana
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そらとぶあくま
酒井嘉七探偵小説選 〔論創ミステリ叢書34〕
酒井 嘉七
Lesen Sie 酒井嘉七探偵小説選 〔論創ミステリ叢書34〕 (そらとぶあくま) von 酒井 嘉七 (さかいかしち) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 13.471 Zeichen · 28 Bildschirme
3
そうした事には些の疑いもない。彼女は自分に唇を許したことによって、それを表示したではないか。が、しかし許された者は自分一人ではなかったのだ。私は、そうした事を知ると同時に、競争者であり親友である、清川に手紙を書いた――。
(二人の内、何れかが、彼女から手を引かねばならない。この問題を解決するために三人で面会したい……)
彼は快諾した。三人は会った。沙里子は二人きりで逢う時のような快活さで云った。
「私はお二人とも同じほど好きよ。同じようにお附合させて頂くわ。けれど、もし、それがいけなかったら、あなた方、お二人で勝手にわたしの対手をおきめなさいよ……ね」
己が唇を許した二人の男を前に、こうまでも厚顔であり無恥である彼女の態度は、蔑まれるべく十分であった。しかし、私達は明らかに盲ていた。
自分の体内から、騎士道も武士の魂も抜け去っていた。
「いかなる手段を講じても、彼女は自分のものだ――」
私は、こう心に決めた、その瞬間、ある卑劣な「決闘」の方法が頭に浮んだのだ。
3
「――どうした方法で、この問題を解決するんだ」
彼は詰問するように鋭く云い放った。私は彼の目の前に、週刊雑誌“北極”を置いた。