Japanische Klassiker mit Furigana
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さといものめとふどうのめ
里芋の芽と不動の目
Lesen Sie 里芋の芽と不動の目 (さといものめとふどうのめ) von Mori Ōgai (森 鴎外) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 4.494 Zeichen · 10 Bildschirme
」
「内は何だい。」
「お医者さんですわ。」
「おお方誰かが一旦内へ帰して置いて、それからお上さんにするというようなわけだろう。」
「知りませんわ。」
こんな話をしているうちに、聯想は聯想を生んで、台湾の樟脳の話が始まる。樺太のテレベン油の話が始まるのである。
増田博士は胡坐を掻いて、大きい剛い目の目尻に皺を寄せて、ちびりちびり飲んでいる。抜け上がった額の下に光っている白目勝の目は頗る剛い。それに皺を寄せて笑っている処がひどく優しい。この矛盾が博士の顔に一種の滑稽を生ずる。それで誰でも博士の機嫌の好い時の顔に対するときは、微笑を禁じ得ないのである。
誰やらが、樺太のテレベン油は非常な利益になりそうで、始て製造を試みた何某の着眼は実にえらいという評判だと云うと、黙って酒を飲んでいた博士が短い笑声を洩した。
「あれか。あれは樺太へ立つ前に己の処へ来たから、己が気を附けて遣ったのだ。」
一同耳を欹てた。この席にいるだけのものは、皆博士が人の功を奪うような人でないことを知っている。それだから、皆博士のこの詞に信を置くのである。博士は再び無邪気らしい、短い笑声を洩して語り続けた。