Japanische Klassiker mit Furigana
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さといものめとふどうのめ
里芋の芽と不動の目
Lesen Sie 里芋の芽と不動の目 (さといものめとふどうのめ) von Mori Ōgai (森 鴎外) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 4.494 Zeichen · 10 Bildschirme
「あればかりではないよ。己の処へは己の思付を貰いに来る奴が沢山あるのだ。むつかしく云えば落想とでも云うのかなあ。独逸語なら Einfaelle ※(「均のつくり」、第3水準1-14-75)とでも云うのだろう。しかし己は嘘は言わないから、誰も落ち込みはしない。己は遣って来る人の性質や伎倆や境遇を見て、その人に出来そうな為事を授けるのだ。それで成功したものが、これまでに随分あるよ。妻がいつも傍で聞いていてそういうのだ。あなたそんなにお金になるような事を沢山知っていらっしゃるなら、御自分で少しして御覧なすってはどうですと云うのだ。女なんというものは馬鹿なものだ。なんでも余所でする事を好い事だと思っている。己には己の為事がある。己なんぞは会社の為事をして給料を貰っていりゃあ好いのだ。為事は一つありゃあ好いのだ。思付なんぞはいくらでもあるから、片っ端から人にくれて遣る。それを一つ掴まえて為事にする奴が成功するのだ。中には己の思付で己より沢山金をこしらえるものもある。金が何だ。金くらい詰まらないものが、世の中にありゃあしねえ。」
博士はそろそろ巻舌になって来た。