Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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じゅうきちひょうりゅうきぶん

重吉漂流紀聞

久生 十蘭

Lesen Sie 重吉漂流紀聞 (じゅうきちひょうりゅうきぶん) von 久生 十蘭 (ひさおじゅうらん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 26.456 Zeichen · 52 Bildschirme

Aozora Bunko

そこへ坐れというので、五人ばかりの間に入って掛けると、船頭がとうもろこしの煮抜きのようなものを皿にとりわけてくれた。これはありがたしと、匙をとって端から大急ぎでさらえこむ。見ていると、めいめい自在に皿から切餅をとって食べているが、こちらにはとりもちしてくれない。どうかと思ったが、手を伸して一切れとって食った。一座の人々は話をしながらもの静かに食べているが、重吉は飢えきっているのですぐおしまいになる。つぎに豌豆に青味を入れて水煮にしたものが出た。みな塩を入れて食うようすなので、自分も塩を入れ、これもたちまち食いおわる。誰も切餅へ手を出さぬのに、自分だけが取るのは心苦しいが、思いきって二切れとり、そのあとでまた一切れ取った。

まだなにかくれるのかと待っていると、精白した米の飯を皿に山盛りにして持ちだしてきた。久し振りの米の飯を、こうも山ほど食えるかと涙のでるほどよろこんでいると、船頭がそれに太白の砂糖を振りかけ、人数だけに盛り分けてしまったのには力を落した。つぎに豚の頭を燻し焼きにしたのが耳鼻をつけた姿であらわれた。船頭が庖丁で薄身に削いでみなに渡す。