Japanische Klassiker mit Furigana
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のわき
野分
山本 周五郎
Lesen Sie 野分 (のわき) von 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 21.401 Zeichen · 42 Bildschirme
彼等の語るところによると、馬場派の行動には予てから監視が付けてあって、今夜の企てもすぐ通報があった。そこで上屋敷から五人こちらへ駆けつけ、人数を分けて先手を打つ筈のところ、三つ目橋付近というだけで場所がはっきりしなかったためつい後れたのだという、「まことに我われの怠慢で申し訳がない」心から畏懼するように、寒風のなかで彼等はなんども汗を拭いた。……又三郎はまるで聞いていなかった、この騒ぎから早く縁を切りたい、どんな事情があってもおさらばだ、もうたくさんだ、そんなことを繰り返し考えながら、彼等には構わず、大股にずんずん歩いていった。
屋敷の中も色めき立っていた。上屋敷から作間丈右衛門はじめ重だった顔が五人も来ていて、帰って来た又三郎を見ると左右から押包まんばかりにして奥へ導いた。どの部屋にも煌々と燭台が耀き、顔を硬ばらせた老若の侍たちが詰めていた。庭には篝が焔をあげ、ものものしい身拵えをした人数の、警護しているのが見えた。導かれたのは休息の間であった。つまり藩主のほかには用いない部屋である、そこで彼は着替えをさせられたが、脱いだ着物を片付けていた若侍が「あっ」