Japanische Klassiker mit Furigana
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のわき
野分
Lesen Sie 野分 (のわき) von Natsume Sōseki (夏目 漱石) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 93.508 Zeichen · 189 Bildschirme
詩的じゃありませんか」
「ところがテニスが済んでから、すっかりそれを忘れてしまって、しかも例の令嬢を連れに田舎へ旅行してから気がついたのです。しかしいまさらどうもする事が出来ないから、それなりにして、未来の細君にはちょっとしたでき合の指環を買って結納にしたのです」
「厭な方ね。不人情だわ」
「だって忘れたんだから仕方がない」
「忘れるなんて、不人情だわ」
「僕なら忘れないんだが、異人だから忘れちまったんです」
「ホホホホ異人だって」
「そこで結納も滞りなく済んでから、うちへ帰っていよいよ結婚の晩に――」でわざと句を切る。
「結婚の晩にどうしたの」
「結婚の晩にね。庭のヴィーナスがどたりどたりと玄関を上がって……」
「おおいやだ」
「どたりどたりと二階を上がって」
「怖いわ」
「寝室の戸をあけて」
「気味がわるいわ」
「気味がわるければ、そこいらで、やめて置きましょう」
「だけれど、しまいにどうなるの」
「だから、どたり、どたりと寝室の戸をあけて」
「そこは、よしてちょうだい。ただしまいにどうなるの」
「では間を抜きましょう。――あした見たら男は冷めたくなって死んでたそうです。ヴィーナスに抱きつかれたところだけ紫色に変ってたと云います」