Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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のわき

野分

夏目 漱石

Lesen Sie 野分 (のわき) von Natsume Sōseki (夏目 漱石) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 93.508 Zeichen · 189 Bildschirme

Aozora Bunko

それよりかうちへ帰ってホルマン・ハントの画でも見る方がいい。ああ、僕も書きたい事があるんだがな。どうしても時がない」

「君は全体自然がきらいだから、いけない」

「自然なんて、どうでもいいじゃないか。この痛切な二十世紀にそんな気楽な事が云っていられるものか。僕のは書けば、そんな夢見たようなものじゃないんだからな。奇麗でなくっても、痛くっても、苦しくっても、僕の内面の消息にどこか、触れていればそれで満足するんだ。詩的でも詩的でなくっても、そんな事は構わない。たとい飛び立つほど痛くっても、自分で自分の身体を切って見て、なるほど痛いなと云うところを充分書いて、人に知らせてやりたい。呑気なものや気楽なものはとうてい夢にも想像し得られぬ奥の方にこんな事実がある、人間の本体はここにあるのを知らないかと、世の道楽ものに教えて、おやそうか、おれは、まさか、こんなものとは思っていなかったが、云われて見るとなるほど一言もない、恐れ入ったと頭を下げさせるのが僕の願なんだ。君とはだいぶ方角が違う」

「しかしそんな文学は何だか心持ちがわるい。――そりゃ御随意だが、どうだい妙花園に行く気はないかい」