Japanische Klassiker mit Furigana
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のわき
野分
Lesen Sie 野分 (のわき) von Natsume Sōseki (夏目 漱石) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 93.508 Zeichen · 189 Bildschirme
「それから」
「すると御兄さんが、そりゃ御前には大変気の毒だって大変私に同情して下さって……」
「御前に同情した。ふうん。――ちょっとその炭取を取れ。炭をつがないと火種が切れる」
「で、そりゃ早く整理しなくっちゃ駄目だ。全体なぜ今まで抛って置いたんだっておっしゃるんです」
「旨い事を云わあ」
「まだ、あなたは御兄さんを疑っていらっしゃるのね。罰があたりますよ」
「それで、金でも貸したのかい」
「ほらまた一足飛びをなさる」
道也先生は少々おかしくなったと見えて、にやりと下を向きながら、黒く積んだ炭を吹き出した。
「まあどのくらいあれば、これまでの穴が奇麗に埋るのかと御聞きになるから、――よっぽど言い悪かったんですけれども――とうとう思い切ってね……」でちょっと留めた。道也はしきりに吹いている。
「ねえ、あなた。とうとう思い切ってね――あなた。聞いていらっしゃらないの」
「聞いてるよ」と赫気で赤くなった顔をあげた。
「思い切って百円ばかりと云ったの」
「そうか。兄は驚ろいたろう」
「そうしたらね。ふうんて考えて、百円と云う金は、なかなか容易に都合がつく訳のものじゃない……」
「兄の云いそうな事だ」