Japanische Klassiker mit Furigana
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ななこ
野菊の墓
伊藤 左千夫
Lesen Sie 野菊の墓 (ななこ) von 伊藤 左千夫 (いとうさちお) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 71.271 Zeichen · 144 Bildschirme
それで男親は悪い顔もしないかい」
「どんなことって、ばかばかしいこってす。おとっさんの方は別に悪くもしないです」
「ウムそれではひどいこっちはおとよさんの事かい、ウム」
「はあ」
「ほんとに困った人だよ。実はお前がよくないんだ。それでは全く知れっちまたんだな。おッ母さんはそればかり心配でなんなかっただ。どうせいつか知れずにはいないけど、少しなずんでから知れてくれればどうにか治まりがつくべいと思ってたに、今知れてみると向うで厭気がさすのも無理はない」
母はこういってしばらく口を閉じ、深く考えつつ溜息をつく。暢気そうに、笑い顔している省作をつくづくと視つめて、老いの眼に心痛の色が溢れるのである。やがてまた思いに堪えないふうに、
「お前はそんな暢気な顔をしていて、この年寄の心配を知らないのか」
そういわれて省作は俄かに居ずまいを直した。そうして、
「おッ母さん、わたしだってそんなに暢気でいやしませんよ。年寄にそう心配さしちゃすまないですが、実はおッ母さん、あの家はむこうで置いてくれてもわたしの方でいやなんです。なんのかんの言ったって、わたしがいる気で少し気をつければ、わけはないですけど、なんだか知らんが、わたしの方で厭になっちまったんでさ。