Japanische Klassiker mit Furigana
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はまぎく
野菊の墓
伊藤 左千夫
Lesen Sie 野菊の墓 (はまぎく) von 伊藤 左千夫 (いとうさちお) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 13.907 Zeichen · 29 Bildschirme
庭半分程這入って行くと、お松は母と二人で糸をかえしていて、自分達を認めると直ぐ「あれまア坊さんが」と云って駈け降りて来た。お松の母も降りて来た。「良くまア坊さんきてくれたねえ」と云って母子して自分達を迎えた。自分は少しきまりが悪かった。母の袖の下へ隠れるようにしてお松の顔を見た。お松は襷をはずして母に改った挨拶をしてから、なつかしい目でにっこり笑いながら「坊さんきまりがわるいの」と云って自分を抱いてくれた。自分はお松はなつかしいけれど、まだ知らなかったお松の母が居るから直ぐにお松にあまえられなかった。母はお松の母と話をしてる。お松の母は母を囲炉裏端へ連れて行った。其内にお松は自分をおぶって外へ出た。菓子屋で菓子を買ってくれた。赤い色や青い色のついてる飴の棒を両手に五本ずつ買ってくれた。お松は幾度も顔を振向けて背に居る自分に話をした。其度に自分の頬がお松の鬢の毛や頬へさわるのであった。お松はわざと我頬を自分の頬へ摺りつけようとするらしかった。
お松が自分をおぶって、囲炉裏端へ上った時に母とお松の母は、生薑の赤漬と白砂糖で茶を飲んで居った。お松は「今夜坊さんはねえやの処へ泊ってください」