Japanische Klassiker mit Furigana
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はまぎく
野菊の墓
伊藤 左千夫
Lesen Sie 野菊の墓 (はまぎく) von 伊藤 左千夫 (いとうさちお) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 13.907 Zeichen · 29 Bildschirme
尻の据りが頗る悪い。見れば食器を入れた棚など手近にある。長火鉢に鉄瓶が掛かってある。台所の隣り間で家人の平常飲み食いする所なのだ。是は又余りに失敬なと腹の中に熱いうねりが立つものから、予は平気を装うのに余程骨が折れる。
「君夕飯はどうかな。用意して置いたんだが、君があまりに遅いから……」
「ウン僕はやってきた。汽車弁当で夕飯は済してきた」
「そうか、それじゃ君一寸風呂に這入り給え。後でゆっくり茶でも入れよう、オイ其粽を出しておくれ」
岡村は自分で何かと茶の用意をする。予は急いで一風呂這入ってくる。岡村は四角な茶ぶだいを火鉢の側に据え、そうして茶を入れて待って居た。東京ならば牛鍋屋か鰻屋ででもなければ見られない茶ぶだいなるものの前に座を設けられた予は、岡村は暢気だから、未だ気が若いから、遠来の客の感情を傷うた事も心づかずにこんな事をするのだ、悪気があっての事ではないと、吾れ自ら頻りに解釈して居るものの、心の底のどこかに抑え切れない不平の虫が荒れて居る。
予は座について一通り久の挨拶をするつもりで居たのだけれど、岡村は遂に其機会を与えない。予も少しくぼんやりして居ると、