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Japanische Klassiker mit Furigana

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はまぎく

野菊の墓

伊藤 左千夫

Lesen Sie 野菊の墓 (はまぎく) von 伊藤 左千夫 (いとうさちお) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 13.907 Zeichen · 29 Bildschirme

Aozora Bunko

しかし其時々の現状を楽しんで進んで行くんだな。順当な進行を遂げる人は幸福だ」

「進行を遂げるならよいけれど、児が殖えたばかりでは進行とも云えんからつまらんさ。しかし子供は慥に可愛いな。子供が出来ると成程心持も変る。今度のは男だから親父が一人で悦んでるよ」

「一昨年来た時には、君も新婚当時で、夢現という時代であったが、子供二人持っての夫婦は又別種の趣があろう」

「オイ未だか」

岡村が吐鳴る。答える声もないが、台所の土間に下駄の音がする。火鉢の側な障子があく。おしろい真白な婦人が、二皿の粽を及び腰に手を延べて茶ぶ台の上に出した。予は細君と合点してるが、初めてであるから岡村の引合せを待ってるけれど、岡村は暢気に済してる。細君は腰を半ば上りはなに掛けたなり、予に対して鄭嚀に挨拶を始めた、詞は判らないが改まった挨拶ぶりに、予もあわてて初対面の挨拶お定まりにやる。子供二人ある奥さんとはどうしても見えない。

「矢代君やり給え。余り美味くはないけれど、長岡特製の粽だと云って貰ったのだ」

「拵えようが違うのか、僕はこういうもの大好きだ。大いに頂戴しよう」

「余所のは米の粉を練ってそれを程よく笹に包むのだけれど、是は米を直ぐに笹に包んで蒸すのだから、笹をとるとこんな風に、東京のお萩と云ったようだよ」