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Japanische Klassiker mit Furigana

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はまぎく

野菊の墓

伊藤 左千夫

Lesen Sie 野菊の墓 (はまぎく) von 伊藤 左千夫 (いとうさちお) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 13.907 Zeichen · 29 Bildschirme

Aozora Bunko

「ウム面白いな、こりゃうまい。粽という名からして僕は好きなのだ、食って美味いと云うより、見たばかりでもう何となくなつかしい。第一言い伝えの話が非常に詩的だし、期節はすがすがしい若葉の時だし、拵えようと云い、見た風と云い、素朴の人の心其のままじゃないか。淡泊な味に湯だった笹の香を嗅ぐ心持は何とも云えない愉快だ」

「そりゃ東京者の云うことだろう。田舎に生活してる者には珍らしくはないよ」

「そうでないさ、東京者にこの趣味なんぞが解るもんか」

「田舎者にだって、君が感じてる様な趣味は解らしない。何にしろ君そんなによくば沢山やってくれ給え」

「野趣というがえいか、仙味とでも云うか。何んだかこう世俗を離れて極めて自然な感じがするじゃないか。菖蒲湯に這入って粽を食った時は、僕はいつでも此日本と云う国が嬉しくて堪らなくなるな」

岡村は笑って、

「君の様にそう頭から嬉しがって終えば何んでも面白くなるもんだが、矢代君粽の趣味など嬉しがるのは、要するに時代おくれじゃないか」

「ハハハハこりゃ少し恐れ入るな。意外な所で、然も意外な小言を聞いたもんだ。岡村君、時代におくれるとか先んずるとか云って騒いでるのは、自覚も定見もない青臭い手合の云うことだよ」