Japanische Klassiker mit Furigana
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おちぼ
野菊の墓
伊藤 左千夫
Lesen Sie 野菊の墓 (おちぼ) von 伊藤 左千夫 (いとうさちお) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N3. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N3 · Mittel · moderne Kanji und Kana · 25.621 Zeichen · 52 Bildschirme
自分はそれが非常に嬉しく、胸のつかえがとれたようにため息をついた。そうして女はもうほとんど自分のもののような気がした。
新兵衛はいつのまにか横になって、いびきをかいていた。女房はそれと見るとすぐ納戸から、どてらと枕を持ってきて、無造作なとりなしにいかにも妻らしいところが見えた。お菊にもそう見えたらしく自分には思われて、この場合それがひどく感じがよかった。
女房はそれから、お菊の髪を結いはじめた。女も今は少し気が落ちついたらしく、おだやかな調子で女房と話したり笑ったりした。自分はしばらく局外にいて、女のすべてのようすを、心ゆくばかり見つめることができた。この時くらい美しい気高い心よさをじゅうぶんに味わった事はなかった。
自分はここまでひと息に考えて来て、われ知らずああと嘆声をもらした。同時にかさかさと落ち葉をふんで人の来たのに気づいた。自分は秘密を人に見られたでもしたようにびっくらした。見ると隣家の金蔵であった。白髪頭がしかもはげあがって、見ちがえるほどじじになっていた。向こうでも自分の老いたのに驚いたようである。
「これはこれはまことにはや。」
「ずいぶん久しぶりだったねい。