Japanische Klassiker mit Furigana
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おちぼ
野菊の墓
伊藤 左千夫
Lesen Sie 野菊の墓 (おちぼ) von 伊藤 左千夫 (いとうさちお) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N3. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N3 · Mittel · moderne Kanji und Kana · 25.621 Zeichen · 52 Bildschirme
木島は矢野を評して、
「よく人の説を聞いて軽々しく自説をはかないところが凡でない。」という。とにかく友人として交わってくれという。
矢野ももちろん僕の方でも希望するという。中島はまじめな顔をして、おれはいい名づけの女が待ってるから、木島君のごとき大志は持たれぬという。それだよそれだよと木島は大笑して、話はやめになった。ふたりが去ったあとで矢野は隣室へ謝した。隣室の法学生もおもしろい男で、
「や、盛んでしたな、大いにおもしろうございました。お互いですから、かまいません。」
とはなはだ愛想がよい。矢野は法科の学生は皆愛想がいいと聞いたが、なるほどと思った。
矢野は寝てから容易に寝つかれない。東京学生のようすもたいていわかってやや安心した。学生の理想として明け暮れ仰望した大学生というものに、いよいよなって登校するのは愉快な気がする。大学生ということになれてしまったらどうか知らないが、自分にはまだ大学生ということを、から屁のようには、どうしても思えない。木島のいうように、今の大学生にこうばしい者が少ないにしろ、自分の大学生たることをあなどる必要はない。それでも制帽制服でようようと登校するだけは、なんだかきまりの悪い心持ちがする。