Japanische Klassiker mit Furigana
ja-reading.com
Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.
のみち
野道
幸田 露伴
Lesen Sie 野道 (のみち) von 幸田 露伴 (こうだろはん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 4.584 Zeichen · 9 Bildschirme
一合少し位しか入らぬらしいが、いかにも上品な佳い瓢だった。そして底の縁に小孔があって、それに細い組紐を通してある白い小玉盃を取出して自ら楽しげに一盃を仰いだ。そこは江戸川の西の土堤へ上り端のところであった。堤の桜わずか二三株ほど眼界に入っていた。
土耳古帽は堤畔の草に腰を下して休んだ。二合余も入りそうな瓢にスカリのかかっているのを傍に置き、袂から白い巾に包んだ赤楽の馬上杯を取出し、一度拭ってから落ちついて独酌した。鼠股引の先生は二ツ折にした手拭を草に布いてその上へ腰を下して、銀の細箍のかかっている杉の吸筒の栓をさし直して、張紙の猪口の中は総金箔になっているのに一盃ついで、一ト口呑んだままなおそれを手にして四方を眺めている。自分は人々に傚って、堤腹に脚を出しながら、帰路には捨てるつもりで持って来た安い猪口に吾が酒を注いで呑んだ。
見ると東坡巾先生は瓢も玉盃も腰にして了って、懐中の紙入から弾機の無い西洋ナイフのような総真鍮製の物を取出して、刃を引出して真直にして少し戻すと手丈夫な真鍮の刀子になった。それを手にして堤下を少しうろついていたが、何か掘っていると思うと、たちまちにして春の日に光る白い小さい球根を五つ六つ懐から出した半紙の上に載せて戻って来た。