Japanische Klassiker mit Furigana
ja-reading.com
Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.
きんろう
金狼
久生 十蘭
Lesen Sie 金狼 (きんろう) von 久生 十蘭 (ひさおじゅうらん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 89.438 Zeichen · 179 Bildschirme
あいつが殺ったとすると、あんな太いやつはありません。偽せの警察手帳かなんか出しゃがって、逆さにあたしをおどかしたりするんだから……」
「それで、どこへ行くというんだ」
「なんでも、穂高で友達が牛を飼っていて、そこまで行けばどうにかなるから、って、ただいま嬶のほうが、金を借りに来ました」
「貸してやったのか」
「ひとに貸す金なんぞあるもんですか。あたしに断わられると二っちも三っちもいかないてえことを知ってるんですが、なにしろ、無いものはやれない。……だから、あいつらは、ぬすとでもするのでなければ、歩いて行くより仕様がないはずなんです」
「や、有難う。それだけ判ればいいんだ」
と、いうと、男はがらくたの上から帽子をとりあげた。乾はその顔を見あげながら妙な含み声で、
「それだけ、わかりゃあいいんですか?」
男はいぶかるような眼つきでふり返った。
「なんだ?」
乾が、むっつりと言った。
「あたしは、まだ知ってることがあるんです」
古絨毯の堆積へ、また腰をおろすと、身体をのりだして、
「そうか。……なんだ、それは」
しばらく間をおいて、
「その着物はね、枝川町の溜堀を浚うとあがってくるんです」