Japanische Klassiker mit Furigana
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きんろう
金狼
久生 十蘭
Lesen Sie 金狼 (きんろう) von 久生 十蘭 (ひさおじゅうらん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 89.438 Zeichen · 179 Bildschirme
「ど、どこの溜堀……、どうしてそんなことを知ってる」
「市の芥焼場の向いに、曲辰の材木置場がありますねえ……そこの溜堀です。尤もあたしもまたぎきなんだから、くわしいことは那須って新聞記者にきいてごらんなさい」
「那須? よく知ってるよ。……そうか、これあ、意外かった。や、どうも……」セカセカと立ちかけた。
「おや、もうお帰りですか」
男はまた中腰になって、「なんか、まだ、あるのか」
ジロリと見あげると、「久我ってのはね、この間の大阪の銀行ギャングの共犯なんですぜ。正体は岩船重吉という、そのほうの大物なんだそうです。……ご存知なかったんですか」
ピクッと膝を動かした。さり気ないようすをしながら、
「へえそりゃ、本当かね」
「そのほうは見事に失敗った。それで今度の絲満事件も、ほら、なんていうんだ、れいの……資金獲得のためにやったんだろうというんです。あれだけの大仕事をしておいて、ピイピイしてるてえのも、これでよく筋が通るんです。……しかし、くわしいことは知りませんよ。どうせ、これもまたぎきなんだから……。なんでも那須がとっちめて、ギャングのほうだけは白状させたということですが……。