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Japanische Klassiker mit Furigana

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くぎぬきとうきちとりものおぼえがき

釘抜藤吉捕物覚書

林 不忘

Lesen Sie 釘抜藤吉捕物覚書 (くぎぬきとうきちとりものおぼえがき) von 林 不忘 (はやしふぼう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 15.998 Zeichen · 32 Bildschirme

Aozora Bunko

で、海老床の若い者や藤吉部屋の勘弁勘次や、例の近江屋の隠居なぞが世話人株で、合点長屋を中心に大供子供を駆り集め遅蒔きながら、吉例により今日は品川へ潮干狩りにと洒落こんだのである。時候のかわり目に当てられたと言って、葬式彦兵衛は朝から夜着を被って、黄表紙を読みよみ生葱をかじっていた。気分が悪くなると葱をかじり出すのがこの男の癖なのである。だからせっかく髪床へ顔を出しても、今日は将棋の相手も見つからないので、手持ち無沙汰に藤吉が控えているところへ、

「親分一つ当りやしょう――大分お月代が延びやしたぜ。なんぼなんでもそれじゃお色気がなさ過ぎますよ。」

と親方の甚八が声を掛けたのだった。ぽんと吸いさしの煙管を叩いて、藤吉は素直に前へ廻ったのだったが、実は始めから眠るつもりだったのである。

「こうまであぶれるとわかっていりゃあ、あっしも店を締まって押し出すんだった。これでも生物ですからね、稀にゃあ商売を忘れて騒がねえとやりきれませんや。」

「まったくよなあ。」

と藤吉はしんみりして言ったが、しばらくして、

「十軒店の人形市はどうだったい?」

「からきし駄目だってまさあ、昨日清水屋のお店の人が見えて、そ言ってましたよ、なんでも世間様がこう今日日のように荒っぽく気が立って来ちゃあ昔の習慣なんかだんだん振り向きもしなくなるんだって