Japanische Klassiker mit Furigana
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くぎぬきとうきちとりものおぼえがき
釘抜藤吉捕物覚書
林 不忘
Lesen Sie 釘抜藤吉捕物覚書 (くぎぬきとうきちとりものおぼえがき) von 林 不忘 (はやしふぼう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 12.598 Zeichen · 26 Bildschirme
「親分、一件を下ろしたぜ。」
「そうか。よし。」
皆が一度に弥吉に首の経緯を話す声、それを背中に聞いて、藤吉、往来へ出た。
桔梗屋の青竹獄門、ぱっと拡がったから耐らない。雨の日の無為、物見高い江戸っ児の群が噪いで人集りは増す一方、甘酒屋が荷を下ろしていたが実際相当稼ぎになるほどの大人気。
「いよう、合点長屋あっ!」
「大釘抜っ!」
「親分千両!」
藤吉の姿にいろんな声がかかる。見渡したところ、早や先刻の遊人は立去ったらしかった。
「ちっ、閑人が多すぎらあな。」
呟いた藤吉、勘次の手から竹付きの首を受け取ったものの、顔面に千六本の刀痕、血に塗れ雨に打たれて人相も証拠も見られないとしるや、二、三寸刺さった青竹を物をも言わず引き抜いて、ざぶり、首を天水桶へ突っ込んだ。並居る一同生きたこころもない。に組の常吉、海老床甚八、それに番頭と、旅装束のままの弥吉とが、力をあわせて押し返す群衆を制している。
手早く洗って引き揚げた首、勘次の差しかける傘に隠れて、藤吉が検する。
「や、白髪じゃねえか。」呻いた藤吉、ぐいと濡髪を扱いてみてから、「うむ、若白髪だな、勘、見ろい、これ、手に、墨が落ちるぜ、ふうん、染めてやがったか。