Japanische Klassiker mit Furigana
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くぎぬきとうきちとりものおぼえがき
釘抜藤吉捕物覚書
林 不忘
Lesen Sie 釘抜藤吉捕物覚書 (くぎぬきとうきちとりものおぼえがき) von 林 不忘 (はやしふぼう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 12.598 Zeichen · 26 Bildschirme
」
言っているところへ、
「旦那様、ただ今!」あわただしく駈け込んで来た若い男。手甲脚絆に草鞋に合羽、振分の小荷物が薄汚れて、月代の伸び按配も長旅の終りと読める。肩で息して首を振りながら、
「お店の前――な、何がありましたえ? く、首とかなんとか――私もちらと見ましたが、ど、ど、どうしたわけでござんすいったい?」
「おう、弥吉、よう早う帰りました。今もな、八丁堀の親分と、お前の噂をしていた矢先。」
「弥吉どん、お戻り。」
「弥吉どん、お戻り。」
「はいはい、偉くお世話になりました――これはこれは親分さま、いらっしゃいまし――旦那さま、浦和からくれぐれもよろしくと申しました。これは浦和名産五家宝、気は心でございます。お糸様は?」
「おうお、なにからなにまでよく届きます。糸かい、首の騒ぎで気分を悪うしてな、頭痛がするとか言うて奥に臥っとりますわい。」
「お糸さんは、」藤吉が口を出した。「首を見たのけえ?」
「いいえ親分、見るどころか、それと聞いたら気味悪がってもう半病人、娘ごころ、気の弱いのに無理はござんすまい。」
「そうよなあ。」
呆然とした藤吉の耳へ、勘次の声が戸外から、