Japanische Klassiker mit Furigana
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どうせんかいじへん
銅銭会事変 短編
国枝 史郎
Lesen Sie 銅銭会事変 短編 (どうせんかいじへん) von 国枝 史郎 (くにえだしろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 106.745 Zeichen · 216 Bildschirme
と、いくら尋ねてもただこういって浦里は他には何もいわない。日頃女を信じ切っていたため、その女からこう出られると、裏切られたような気持ちがして、彼は心が落ち着かないのであった。
それに近頃若い男が、彼に楯突いて浦里のもとへ、しげしげ通って来るという、厭な噂も耳にしたので彼は益※(二の字点、1-2-22)焦心した。
「仮りにも俺に楯突こうという者、紀文の他にはない筈だ」
いったい其奴は何者であろう? 自尊の強い性質だけにまだ見ない恋敵に対しても、激しい憤りを感じるのであった。
奈良茂の機嫌が悪いので、半兵衛や民部は心を傷め、いろいろ道化たことなどを云って浮き立たせようとするのであったが、周囲が陽気になればなるほど彼の心は打ち沈んだ。酒ばかり煽って苦り切っている。
一蝶や其角は取り巻とはいっても一見識備えた連中だけに、民部や半兵衛が周章てるようには二人は周章てはしなかった。
「金の威力で自由にしようとしても、自由にならないものもある。女の心などはまずそれだ。自由にならないから面白いとも云える。それを怒ったでは野暮というものだ」心の中ではこんなようにさえひそかに考えているのであった。