Japanische Klassiker mit Furigana
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どうせんかいじへん
銅銭会事変 短編
国枝 史郎
Lesen Sie 銅銭会事変 短編 (どうせんかいじへん) von 国枝 史郎 (くにえだしろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 106.745 Zeichen · 216 Bildschirme
六人の兄弟はどうしたか? これさえ記録に残っていない。
こうして幾時代か経過した。
そのうちいつともなくこの伝説は人々の頭から忘れられてしまった。しかしもちろん多くの画家やまた好事家の間では、慾の深い伝説は別として信輔筆の六歌仙は名作として評判され、手を尽くして探されもしたがついに所在は解らなかった。
こうして文政となったのである。
もうこの頃では画家好事家さえ、信輔筆の六歌仙について噂する者は皆無であった。
「大変でございますよ、旦那様!」
襖の外で呼ぶ声がする。
「おお三右衛か」
と紋太郎はとうにさっきから眼覚めていたので、こう云いながら起き上がると布団の上へ胡坐を掻いた。それからカチカチと燧石を打ってぼっと行燈へ火を移した。
「まあこっちへはいって来い」
「はい」と云うと襖が開き白髪の老人がはいって来た。用人の岩本三右衛門である。キチンと坐ると主人の顔をまぶしそうに見守ったが、
「賊がはいったようでございます」
「うん。どうやらそうらしいな。大分騒いでいるようだ」
「すぐお出掛けになりますか?」
「専斎殿は金持ちだ。時には賊に振る舞ってもよかろう。……もう夜明けに間もあるまい。