Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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ぜにがたへいじとりものひかえ

銭形平次捕物控

野村 胡堂

Lesen Sie 銭形平次捕物控 (ぜにがたへいじとりものひかえ) von 野村 胡堂 (のむらこどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 12.163 Zeichen · 25 Bildschirme

Aozora Bunko

「外に、お喜美さんに言い寄った男や、嫁に欲しいと言った男はないのかな」

「それはもう、掃いて捨てるほどありました。嫁に欲しいと言った口は、私が知っているだけでも六つ七つ。付け文をしたり、言い寄ったり、宇田川町の秋山さんの家のあたりを、毎日ウロウロする男が、五人も六人もあったということで――」

「大したことだな」

「それもその筈で、あのきりょうで、愛嬌があって、一と目見た男は、誰でも夢中にさせられてしまいました」

田之助の話は満更の形容とも思われません。花嫁のお喜美が本当にそんなに騒がれた娘だったとしたら、これはよっぽど考えなければならない事です。

「なア八、お武家の一人娘だぜ。十八や十九と言えば恥かしい盛りだ。嗜みの良い娘なら、滅多なことで人様に愛嬌を振り撒くものじゃねえ――雌犬だって毛嫌いってものがあらア、――十人も二十人もの若い男を矢鱈無性に引付けるのは、容易ならぬ怪物と思わないか」

田之助が母屋へ入って行く後ろ姿を見送って、平次は八五郎に囁くのです。

「そんなものですかね」

「素人娘が愛嬌を見せるのは、一生に一人と言いてえくらいのものだ、――殺されたお喜美とその親の浪人者のことを、トコトンまで調べてくれないか」