Japanische Klassiker mit Furigana
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ぜにがたへいじとりものひかえ
銭形平次捕物控
野村 胡堂
Lesen Sie 銭形平次捕物控 (ぜにがたへいじとりものひかえ) von 野村 胡堂 (のむらこどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 12.006 Zeichen · 25 Bildschirme
――辰は裏へ廻れ、一人も外へ出すんじゃないよ」
「ヘエ」
平次は八五郎に叩かせましたが、いつまでやっていても、中からは返事もなく、開けてくれる者もありません。
「八、戸を打ち壊せ――構わないとも、後は俺が引受ける」
「よしッ」
平次の気組みに励まされて、八五郎はでっかい身体をドシンと雨戸に叩き付けました。
しばらくの骨折りで、どうやらこうやら雨戸を押し倒して入ると、中は何の変哲もなく、あちらこちらに灯さえ点いて人の気配もなく、更けております。
「八、穴蔵へ案内しろ」
「ヘエ」
物置へ行ってみると、床は剥いだまま、灯の用意をして無気味な中へ入ると、穴蔵の樫の戸のところへ、もうプーンと生血の臭い――
「あっ、遅れたか」
差し出した灯の中に、鮮血に染んで斬り殺されているのは、思いきや、主人の竹斎こと滝三郎の無残な姿です。
「あっ」
「八、小判は無くなっているはずだ。見てくれ」
「ありませんよ、親分」
穴蔵の隅の箱は空っぽ、八五郎は呆気にとられているばかり。
「狭い穴蔵の中で、良い手際だ。――これほどの男も、声を立てずに死んだろう」
穴蔵から出て奥の部屋へ行くと、平次が想像した以上の贅沢な調度の中に、姉娘の多与里は、滅茶滅茶に縛られておっ転がされております。