Japanische Klassiker mit Furigana
ja-reading.com
Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.
かぎからぬけだしたおんな
鍵から抜け出した女
海野 十三
Lesen Sie 鍵から抜け出した女 (かぎからぬけだしたおんな) von 海野 十三 (うんのじゅうざ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 21.188 Zeichen · 43 Bildschirme
絶体絶命! 僕はこの女のため、金に変えられて仕舞う運命なのだろうか?
秀蓮尼庵室
腕を締めつけた女は、あまりに美しかった。僕はまるで魂を盗まれたような気がした。僕は死刑から脱がれるためにその女を蹴倒して逃げねばならぬ。しかもそれを決行しなかった訳は、その女があまりにも僕がいつも胸に抱いていた幻の女に似た感じをもっていたからだった。たった一つしかない生命よりも尊いものが、他にもあったのだった。
いや蹴倒すどころか、僕は捉えられたまま、大声すら発しようとしなかった。――もっともそのとき女の涼しい眼眸の中に、なにか僕に対する好意のようなものを感じたからでもあった。
「北川さんでしょ。……」
「し、縛って……突き出して下さい」
「叱ッ。――」と女は目顔で叱って、「……誰かに悟られると、大変なことになってよ」
「えッ。――」
僕は女の方をふりかえった。
「さあ、ここにいては危い――早くお逃げなさい」
「ああ、貴女は僕の敵ではなかったのですか」
「もちろんよ」と女はニッコリと笑い「でもこの島のどこへ逃げても危いわネ。じゃあ隠れるのに一番いいところを教えてあげるわネ」