Japanische Klassiker mit Furigana
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さこつ
鎖骨
寺田 寅彦
Lesen Sie 鎖骨 (さこつ) von 寺田 寅彦 (てらだとらひこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 2.945 Zeichen · 6 Bildschirme
子供が階段から落ちてけがをした。右の眉骨を打ったと見えて眼瞼がまんじゅうのようにふくれ上がった。それだけかと思っていたが吐きけのあるのが気になった。医者が来て見ると、どうも右肩の鎖骨が折れているらしいというので驚いて整形外科のT博士に診てもらうとやはり鎖骨がみごとに折れている。しかしそのほうはたいした事ではない。それよりも右耳の後上部の頭蓋骨をひどく打ったらしい形跡があって、そのほうがはなはだ大事だというので、はじめはたいした事でもないと思った事がらがだんだんに重大になって来た。T氏の話によると、頭を打ってから数時間の間当人はいっこう平気で、いつものように仕事をしていて、そうして突然意識を失って倒れることがよくあるそうである。
それは脳に徐々の出血があって、それがだんだんに蓄積して内圧を増す、それにつれて脈搏がはじめはだんだん昂進して百二十ほどに上がるが、それでも当人には自覚症状はない。それから脈搏がだんだん減少して行き、それが六十ぐらいに達したころに急に卒倒して人事不省に陥るそうである。それだから、頭を打ったと思ったらたとえ気分に変わりがないと思っても、絶対安静にして、そうして脈搏を数えなければならないそうである。