Japanische Klassiker mit Furigana
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うし
鎧櫃の血
岡本 綺堂
Lesen Sie 鎧櫃の血 (うし) von 岡本 綺堂 (おかもときどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 48.702 Zeichen · 99 Bildschirme
の藪の近所で茶店に休んだ。二人は茶をのみ、駄菓子なぞを食っていると、なにを見付けたのかお常は思わず『あらッ』と叫んだ。
友蔵がなんだと訊くと、あれを見ろという。その指さす方を覗いてみると、うす暗い店の奥に一匹の猫がいる。田舎家に猫はめずらしくないが、その猫は不思議に大きく、普通の犬ぐらいに見えるので、友蔵も眼をひからせた。茶店の婆さんを呼んで訊くと、かの猫はまだ四、五年にしかならないのだが、途方もなく大きくなったので、不思議を通り越してなんだか気味が悪い。あんな猫は今に化けるだろうと近所の者もいう。さりとて捨てるわけにも行かず、殺すわけにも行かず、飼主の私も持て余しているのだと、婆さんは話した。
それを聞いて、夫婦は直ぐに商売気を出して、あの猫をわたしたちに売ってくれないかと掛け合うと、婆さんは二つ返事で承知した。
飼主が持て余している代物だから、値段の面倒はない。婆さんは唯でもいいと言うのだが、まさかに唯でも済まされないと、友蔵は一朱の銀をやって、その猫をゆずり受けた。」
「そんなに大きい猫をどうして持って帰ったでしょう。」と、青年は首をかしげる。