Japanische Klassiker mit Furigana
ja-reading.com
Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.
うし
鎧櫃の血
岡本 綺堂
Lesen Sie 鎧櫃の血 (うし) von 岡本 綺堂 (おかもときどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 48.702 Zeichen · 99 Bildschirme
牛はまた大川へはいって、川下の方へ泳いで行く。大勢は河岸づたいに追って行く。おどろいたのは柳橋あたりの茶屋や船宿だ。この牛が桟橋へあがって、自分たちの家へ飛び込まれては大変だから、料理番や下足番や船頭たちが桟橋へ出て、こっちへ寄せつけまいといろいろの物を投げつける。新年早々から人間と牛との闘いだ。」
「場所が場所だけに、騒ぎはいよいよ大きくなったでしょうね。」
「いや、もう、大騒ぎさ。ここに哀れをとどめたのは柳橋の小雛という芸者だ。なんでも明けて廿一とかいう話だったが、この芸者は京橋の福井という紙屋の旦那と亀戸の初卯詣に出かける筈で、土地の松屋という船宿から船に乗って、今や桟橋を離れたところへこの騒動だ。船頭はいっそ戻そうかと躊躇していると、旦那はあとへ戻すのも縁喜が悪い、早く出してしまえという。そこで、思い切って漕ぎ出して、やがて大川のまん中まで出ると、方々の家から逐われた牛は、とても柳橋寄りの河岸へは着けないと諦めたものか、今度は反対に本所寄りの河岸にむかって泳ぎ出した。それを見ておどろいたのは小雛の船だ。
取分けて、小雛は蒼くなっておどろいた。