Japanische Klassiker mit Furigana
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うし
鎧櫃の血
岡本 綺堂
Lesen Sie 鎧櫃の血 (うし) von 岡本 綺堂 (おかもときどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 48.702 Zeichen · 99 Bildschirme
有年は実父の喪中であったが、馬琴が今夜ここへ招かれて来るということを知っていて、食事の済んだ頃を見はからって、わざと後れて顔を出したのであった。彼の父は伊勢の亀山藩の家臣で下谷の屋敷内に住んでいたが、先月の廿二日に七十二歳の長寿で死んだ。彼はその次男で、遠い以前から鈴木家の養子となっているのであるが、ともかくもその実父が死んだのであるから、彼は喪中として墓参以外の外出は見あわせなければならなかった。しかしこの※(「さんずい+(廣-广)」、第3水準1-87-13)南の家は彼の親戚に当っているのと、今夜は馬琴が来るというのとで、有年も遠慮なしにたずねて来て、その団欒にはいったのである。
馬琴は元来無口という人ではない。自分の嫌いな人物に対して頗る無愛想であるが、こころを許した友に対しては話はなかなか跳む方であるから、三人は火鉢を前にして、冬の夜の寒さを忘れるまでに語りつづけた。そのうちに何かの話から主人の※(「さんずい+(廣-广)」、第3水準1-87-13)南はこんなことを言い出した。
「御承知か知らぬが、先頃ある人からこんなことを聴きました。日本橋の茅場町に錦とかいう鰻屋があるそうで、そこの家では鰻や泥鱒のほかに泥鼈の料理も食わせるので、なかなか繁昌するということです。