Japanische Klassiker mit Furigana
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に、さんば――じゅうに、さんば
鏡花短篇集
泉 鏡花
Lesen Sie 鏡花短篇集 (に、さんば――じゅうに、さんば) von 泉 鏡花 (いずみきょうか) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 33.305 Zeichen · 66 Bildschirme
泰西の諸国にて、その公園に群る雀は、パンに馴れて、人の掌にも帽子にも遊ぶと聞く。
何故に、わが背戸の雀は、見馴れない花の色をさえ恐るるのであろう。実に花なればこそ、些とでも変った人間の顔には、渠らは大なる用心をしなければならない。不意の礫の戸に当る事幾度ぞ。思いも寄らぬ蜜柑の皮、梨の核の、雨落、鉢前に飛ぶのは数々である。
牛乳屋が露地へ入れば驚き、酒屋の小僧が「今日は」を叫べば逃げ、大工が来たと見ればすくみ、屋根屋が来ればひそみ、畳屋が来ても寄りつかない。
いつかは、何かの新聞で、東海道の何某は雀うちの老手である。並木づたいに御油から赤坂まで行く間に、雀の獲もの約一千を下らないと言うのを見て戦慄した。
空気銃を取って、日曜の朝、ここの露地口に立つ、狩猟服の若い紳士たちは、失礼ながら、犬ころしに見える。
去年の暮にも、隣家の少年が空気銃を求め得て高く捧げて歩行いた。隣家の少年では防ぎがたい。おつかいものは、ただ煎餅の袋だけれども、雀のために、うちの小母さんが折入って頼んだ。
親たちが笑って、
「お宅の雀を狙えば、銃を没収すると言う約条ずみです。」
かつて、北越、倶利伽羅を汽車で通った時、峠の駅の屋根に、車のとどろくにも驚かず、雀の日光に浴しつつ、屋根を自在に、樋の宿に出入りするのを見て、谷に咲残った撫子に