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Japanische Klassiker mit Furigana

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に、さんば――じゅうに、さんば

鏡花短篇集

泉 鏡花

Lesen Sie 鏡花短篇集 (に、さんば――じゅうに、さんば) von 泉 鏡花 (いずみきょうか) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 33.305 Zeichen · 66 Bildschirme

Aozora Bunko

来て、遊んでいるのでございましょう。それともあっちこっち山の中を何かの御使に歩いているのかも知れません。」

と女が高く仰ぐに連れ、高坂も葎の中に伸上った。草の緑が深くなって、倒に雲に映るか、水底のような天の色、神霊秘密の気を籠めて、薄紫と見るばかり。

「その美女ヶ原までどのくらいあるね、日の暮れない中行かれるでしょうか。」

「否、こう桜が散って参りますから、直でございます。私も其処まで、お供いたしますが、今日こそ貴方のようなお連がございますけれど、平時は一人で参りますから、日一杯に里まで帰るのでございます。」

「日一杯?」と思いも寄らぬ状。

「どんなにまた遠い処のように、樵夫がお教え申したのでござんすえ。」

「何、樵夫に聞くまでもないです。私に心覚が丁とある。先ず凡そ山の中を二日も三日も歩行かなけれゃならないですな。

尤も上りは大抵どのくらいと、そりゃ予て聞いてはいるんですが、日一杯だのもう直だの、そんなに輒く行かれる処とは思わない。

御覧なさい、こうやって、五体の満足なはいうまでもない、谷へも落ちなけりゃ、巌にも躓かず、衣物に綻が切れようじゃなし、生爪一つ剥しやしない。