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Japanische Klassiker mit Furigana

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に、さんば――じゅうに、さんば

鏡花短篇集

泉 鏡花

Lesen Sie 鏡花短篇集 (に、さんば――じゅうに、さんば) von 泉 鏡花 (いずみきょうか) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 33.305 Zeichen · 66 Bildschirme

Aozora Bunko

私がちょこちょこ近処だから駈出しては、薬取に行くのでしたが、また薬局というのが、その先生の甥とかいう、ぺろりと長い顔の、額から紅が流れたかと思う鼻の尖の赤い男、薬箪笥の小抽斗を抜いては、机の上に紙を並べて、調合をするですが、先ずその匙加減が如何にも怪しい。

相応に流行って、薬取も多いから、手間取るのが焦ったさに、始終行くので見覚えて、私がその抽斗を抜いて五つも六つも薬局の机に並べて遣る、終には、先方の手を待たないで、自分で調合をして持って帰りました。私のする方が、かえって目方が揃うくらい、大病だって何だって、そんな覚束ない薬で快くなろうとは思えんじゃありませんか。

その頃父は小立野と言う処の、験のある薬師を信心で、毎日参詣するので、私もちょいちょい連れられて行ったです。

後は自分ばかり、乳母に手を曳かれてお詣をしましたッけ。別に拝みようも知らないので、唯、母親の病気の快くなるようと、手を合せる、それも遊び半分。

六月の十五日は、私の誕生日で、その日、月代を剃って、湯に入ってから、紋着の袖の長いのを被せてもらいました。

私がと言っては可笑いでしょう。