Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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ながさきのかね

長崎の鐘

永井 隆

Lesen Sie 長崎の鐘 (ながさきのかね) von 永井 隆 (ながいたかし) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 65.109 Zeichen · 131 Bildschirme

Aozora Bunko

原子野の鐘

希わくば死せる人々の霊魂、天主の御哀憐によりて安らかに憩わんことを アーメン。

市太郎さんは読み終わって眼をつむった。

「やっぱり家内と子供は地獄へは行かなかったにちがいない」しばらくして呟いた。

「先生、そうすると、わしら生き残りはなんですか?」

「私もあなたも天国の入学試験の落第生ですな」

「天国の落第生、なるほど」

二人は声をそろえて大きく笑った。胸のつかえが下りたようだ。

「よっぽど勉強せにゃ、天国で家内と会うことはできまっせんばい。確かに戦争で死んだ人たちは正直に自分を犠牲にして働いたのですからな。わしらも負けずによほど苦しまねばなりまっせんたい」

「そうですとも、そうですとも。世界一の原子野、この悲しい、寂しい、ものすごい、荒れた灰と瓦の中に踏みとどまって、骨と共に泣きながら建設を始めようじゃありませんか」

「わしは罪人だから苦しんで賠償させてもらうのが何より楽しみです。祈りながら働きましょう」市太郎さんは明るい顔になって帰った。

原子野の鐘

七十五年生息不可能説が爆撃直後伝えられたので、人々の間に焼け跡復帰を危懼する声が高かった。私たちは測定器を失っていたから、この問題の解決を得るために止むを得ず動植物を観察することにした。