Japanische Klassiker mit Furigana
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ながさきのかね
長崎の鐘
永井 隆
Lesen Sie 長崎の鐘 (ながさきのかね) von 永井 隆 (ながいたかし) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 65.109 Zeichen · 131 Bildschirme
と泣く。血を噴く手首を差し出す。「お母さん、お母さん」と泣き回る女の子、子供の名を呼びつづけてのたうちまわる母親、「出口はどこだ」と怒鳴って走る大男、「担架、担架」と叫んでうろうろする学生、あたりはようやく騒然となってきた。
私たちはそこでただちに応急手当てを始めた。三角巾も繃帯も間もなく使い果たし、こんどはシャツを切り裂いては、傷に巻いていった。十人、二十人、処置を終われば、後から後から「助けてください」と叫んで新しい傷者があらわれ、いつまでもきりがない。私は片手で自分の傷を押さえておらねばならず、仕事がしにくいが、つい患者の傷につられて手を離して手当てをしていると、まるで水鉄砲で赤インクをとばすように私の傷口から血が噴いて、横の壁といわず婦長さんの肩といわず赤く染めてしまう。こめかみの動脈を切られているのだ。しかし、この動脈は小さいから、まあ、あと三時間は私の身体ももてるだろうと計算しながら、時々自分の脈の強さを確かめつつ、患者の処置をつづける。
友を捜しに行った橋本君と椿山君とが帰ってきた。「いません。運動場の畑へ行ったと思います。運動場へ行こうとしましたが、もう途中は倒れ木と火と死骸とで通れません。