Japanische Klassiker mit Furigana
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もん
門
Lesen Sie 門 (もん) von Natsume Sōseki (夏目 漱石) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 139.830 Zeichen · 278 Bildschirme
宗助は固より返答ができなかった。
そこへ最前の仲働が、奥から茶や莨を運んで来たので、宗助はまた帰りはぐれた。主人はわざわざ座蒲団まで取り寄せて、とうとうその上へ宗助の尻を据えさした。そうして今朝早く来た刑事の話をし始めた。刑事の判定によると、賊は宵から邸内に忍び込んで、何でも物置かなぞに隠れていたに違ない。這入口はやはり勝手である。燐寸を擦って蝋燭を点して、それを台所にあった小桶の中へ立てて、茶の間へ出たが、次の部屋には細君と子供が寝ているので、廊下伝いに主人の書斎へ来て、そこで仕事をしていると、この間生れた末の男の子が、乳を呑む時刻が来たものか、眼を覚まして泣き出したため、賊は書斎の戸を開けて庭へ逃げたらしい。
「平常のように犬がいると好かったんですがね。あいにく病気なので、四五日前病院へ入れてしまったもんですから」と主人は残念がった。宗助も、
「それは惜しい事でした」と答えた。すると主人はその犬の種やら血統やら、時々猟に連れて行く事や、いろいろな事を話し始めた。
「猟は好ですから。もっとも近来は神経痛で少し休んでいますが。何しろ秋口から冬へ掛けて鴫なぞを打ちに行くと、どうしても腰から下は田の中へ浸って、二時間も三時間も暮らさなければならないんですから、全く身体には好くないようです」