Japanische Klassiker mit Furigana
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もん
門
Lesen Sie 門 (もん) von Natsume Sōseki (夏目 漱石) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 139.830 Zeichen · 278 Bildschirme
「ああ、安さんは土曜でも何でも夕方まで、工場にいるんだそうだ」
「随分骨が折れるでしょうね」
御米はそう云ったなり、叔父や叔母の処置については、一言の批評も加えなかった。
「小六の事はどうしたものだろう」と宗助が聞くと、
「そうね」と云うだけであった。
「理窟を云えば、こっちにも云い分はあるが、云い出せば、とどのつまりは裁判沙汰になるばかりだから、証拠も何もなければ勝てる訳のものじゃなし」と宗助が極端を予想すると、
「裁判なんかに勝たなくたってもいいわ」と御米がすぐ云ったので、宗助は苦笑してやめた。
「つまりおれがあの時東京へ出られなかったからの事さ」
「そうして東京へ出られた時は、もうそんな事はどうでもよかったんですもの」
夫婦はこんな話をしながら、また細い空を庇の下から覗いて見て、明日の天気を語り合って蚊帳に這入った。
次の日曜に宗助は小六を呼んで、叔母の云った通りを残らず話して聞かせて、
「叔母さんが御前に詳しい説明をしなかったのは、短兵急な御前の性質を知ってるせいか、それともまだ小供だと思ってわざと略してしまったのか、そこはおれにも分らないが、何しろ事実は今云った通りなんだよ」