Japanische Klassiker mit Furigana
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かのように
阿部一族・舞姫
Lesen Sie 阿部一族・舞姫 (かのように) von Mori Ōgai (森 鴎外) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 69.875 Zeichen · 141 Bildschirme
参謀長を始め、大勢の出迎人がある。一同にそこそこに挨拶をして、室町の達見という宿屋にはいった。
隊から来ている従卒に手伝って貰って、石田はさっそく正装に着更えて司令部へ出た。その頃は申告の為方なんぞは極まっていなかったが、廉あって上官に謁する時というので、着任の挨拶は正装ですることになっていた。
翌日も雨が降っている。鍛冶町に借家があるというのを見に行く。砂地であるのに、道普請に石灰屑を使うので、薄墨色の水が町を流れている。
借家は町の南側になっている。生垣で囲んだ、相応な屋敷である。庭には石灰屑を敷かないので、綺麗な砂が降るだけの雨を皆吸い込んで、濡れたとも見えずにいる。真中に大きな百日紅の木がある。垣の方に寄って夾竹桃が五六本立っている。
車から降りるのを見ていたと見えて、家主が出て来て案内をする。渋紙色の顔をした、萎びた爺さんである。
石田は防水布の雨覆を脱いで、門口を這入って、脱いだ雨覆を裏返して巻いて縁端に置こうとすると、爺さんが手に取った。石田は縁を濡らさない用心かと思いながら、爺さんの顔を見た。爺さんは言訣のように、この辺は往来から見える処に物を置くのは危険だということを話した。