Japanische Klassiker mit Furigana
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かのように
阿部一族・舞姫
Lesen Sie 阿部一族・舞姫 (かのように) von Mori Ōgai (森 鴎外) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 69.875 Zeichen · 141 Bildschirme
石田が長靴を脱ぐと、爺さんは長靴も一しょに持って先に立った。
石田は爺さんに案内せられて家を見た。この土地の家は大小の違があるばかりで、どの家も皆同じ平面図に依って建てたように出来ている。門口を這入って左側が外壁で、家は右の方へ長方形に延びている。その長方形が表側と裏側とに分れていて、裏側が勝手になっているのである。
東京から来た石田の目には、先ず柱が鉄丹か何かで、代赭のような色に塗ってあるのが異様に感ぜられた。しかし不快だとも思わない。唯この家なんぞは建ててから余り年数を経たものではないらしいのに、何となく古い、時代のある家のように思われる。それでこんな家に住んでいたら、気が落ち付くだろうというような心持がした。
表側は、玄関から次の間を経て、右に突き当たる西の詰が一番好い座敷で、床の間が附いている。爺さんは「一寸御免なさい」と云って、勝手へ往ったが、外套と靴とを置いて、座布団と煙草盆とを持って出て来た。そして百日紅の植わっている庭の方の雨戸が疎らに締まっているのを、がらがらと繰り開けた。庭は内から見れば、割合に広い。爺さんは生垣を指ざして、この辺は要塞が近いので石塀や煉瓦塀を築くことはやかましいが、表だけは立派にしたいと思って問い合わせてみたら、低い塀は築いても好いそうだから、その内都合をしてどうか