Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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すずめがもりのかいい

雀が森の怪異

田中 貢太郎

Lesen Sie 雀が森の怪異 (すずめがもりのかいい) von 田中 貢太郎 (たなかこうたろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 6.614 Zeichen · 14 Bildschirme

Aozora Bunko

「どこにいる」

「すぐそこだ」

彼は神中がこっちへ来たのは県庁の用向で出張して来たものだと思った。貧しいために中学にもあがれないで、小学校を卒業するなり県庁の給仕になり、最近は雇員になっていると云うことを知っている彼は、出張するようになったからには仕事ができることを認められたがためであろうと思った。彼は平生その境遇に同情している友人だけに悪い気もちはしなかった。

「そうか、それはよく来た」

「試験でいそがしいから、気の毒だと思ったが、ちょっと君に頼みたいことがあってね」

「なんだね」

「ちょっとしたことだ、明日の晩十二時に、この前の雀が森ね、あそこへ来てくれないかね、手間はとらさないが」

雀が森は時おり散歩する森であって、そこには小さな社があった。彼はそんな森の中へ、しかも夜往って何をするだろうと思ってみたが想像がつかなかった。しかし、日比信用している友人のことであるから、べつに疑うことはなかった。

「なんだね」

「別にたいしたこともないさ、ちょっと明日の晩に来てくれないかね、手間をとらさない、悪いことも頼みやしない、ちょっとでいい」

「そうかね、じゃ、往こう」