Japanische Klassiker mit Furigana
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あめあがる
雨あがる
山本 周五郎
Lesen Sie 雨あがる (あめあがる) von 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 21.794 Zeichen · 43 Bildschirme
かれらが女を避けるのは、彼女の立ち居があまりに乱暴で、棘とげしくって、また仮借のない凄いような毒口をきくからであった。つまりいちもくおいているわけであるが、彼女はそうは思わないようすで、常にあからさまな敵意をかれらに示していた。
半月も降りこめられて、今みんなが飢えかけているのに、そんなしょうばいをしているためか、彼女だけは(乏しいながら)煮炊きを欠かさなかった。それは日頃の敵愾心と自尊心を大いに満足させているようであった。
「あんまりだなあ、あれは」
伊兵衛はこう呟いて、女の叫びがますます高く、止め度もなく辛辣になるのに堪りかねて、起きあがった。
「あれではひどい、もし本当にそれがそうだったとしても、あんなふうに人の心もちが痛むようなことを云うのはよくないと思うな」
独り言のように呟きながら、そっと妻の顔色をうかがった。彼は背丈も高いし、肩も胸も幅ひろく厚く、肉のひき緊ったいい躯である。ふっくらとまるい顔はたいそう柔和で、尻下りの眼や小さな唇つきには、育ちの良い少年のような清潔さが感じられた。
「ええ、それはそうですけれど」
おたよは縫ったところを爪でこきながら、良人のほうは見ずに云った。